懐かしい祖父の店をリノベーションし
ジェラート専門店を夫婦でOPEN
/ 更新日 / 2020.03.20
石田真澄さん・大さん
2018年4月、山寺のふもとに山形市初のジェラート専門店が誕生した。その名を「COZAB GELATO(コザブジェラート)」という。店の向かいには紅葉川が流れ、大きな木々が優しく包み込むその川辺の景色を、ジェラート片手に楽しむことができる。
ここは、オーナーの石田真澄さんが昨年Uターンし、夫でありイタリアンシェフの大さんと共にオープンさせた念願のお店だ。真澄さんはもともと山形県村山市出身。山形大学卒業後、東京で医療関係の仕事に従事していた。Uターンしてきたのは、2017年6月のこと。きっかけは二人目の出産だったという。
山寺といえば山形を代表する観光地。そしてまた、真澄さんのおじいさんが長年暮らし、食料品店「寒河江商店」を営んできた場所なのだ。「幼少期には毎週のように遊びに来ていた、いわば第二の我が家」なのだという。
「2年前に祖父が亡くなって店を閉じることになりましたが、私がこの場所を引き継ぎ、ジェラート専門店をオープンすることにしたんです」と真澄さんは言う。コザブジェラートという店名は、おじいさんの名前『幸三郎(こうざぶろう)』にちなんで名付けた。寒河江商店の面影を大切に、天井のはりや土間などを生かし、店舗をリノベーションしたのだそうだ。
「祖父と付き合いがあった地元の人にも食べに来てもらえるのが、とても嬉しいですね。1階にある椅子は50年ほど前から寒河江商店で使っていたもので、それを覚えていて懐かしんでくれるお客さんもいます。祖父が大切に守ってきた地域への思いを引き継いでいけたらと思っています」と真澄さんは語ってくれた。
(つづく)
photo:根岸功