面白い仕事ができるフィールドが
広がっている

/ 更新日 / 2020.09.29

建築家 井上貴詞さん

東北大工学部人間環境系(土木/建築)に進学し、そこで建築の世界に出会ったという井上貴詞さん。大学院卒業後ほとんどの仲間が仙台を離れ東京へ向かうなかで、ただひとり、東北それも山形の地で働くことを選びました。なぜ、たった一人でそういう決断をすることができたのでしょうか。その理由のひとつは、大学院生時代にインターンとして飛び込み、のちに就職することになった山形の本間利雄設計事務所で得た経験によるものだったと井上さんは言います。

「まだWebで得られる情報が少ない時代のことでしたから、地方の設計事務所の仕事の様子がどういうものなのか、外部からは全くわかりませんでした。だから実際に見に行くしかない。それで自分で飛び込んでいってその世界を覗いて見たら、いつも大小様々な仕事が回っていて『いろんなチャンスがあるな』と思いました。

自分が学んできたことがここで何かしらモノになるものがあるんじゃないか。地方だから面白い仕事がないなんてことはない。フィールドはちゃんとあるということに気づいたのです。東京にはこだわらず、東北でも何かしら面白いことができるんじゃないかという予感めいたものが閃いたのです」と語ってくれました。

つづく