山形のランドマーク
「文翔館(旧県庁舎、県会議事堂)」

/ 更新日 / 2020.08.24

山形ビエンナーレの主会場として使われている「文翔館」。山形県旧県庁舎と県会議事堂の二代目だったものですが、20年ほど前に長期間の復原工事が完了し現在は「山形県郷土館」として一般に開かれています。以前は山形市の観光名所というと山寺や蔵王など郊外の印象が強かったと思うのですが、大通りの突き当たりにどんと構える文翔館は、いまや街なか観光にとっても欠かすことのできない大事なランドマークになっています。

建てられたのは今から100年以上前の大正5年(1916)。前回触れた初代県令・三島通庸が明治10~12年にかけて創り上げた初代県庁舎をはじめとする一大官庁街は、その約30年後の明治44年(1911)山形市北大火で道路や町割りを残してほとんどの建物が焼失してしまいました。その後初代県庁舎の跡地に再建されたのが、現在まで残るレンガ造の二代目県庁舎と県会議事堂です。国の重要文化財に指定されています。

前庭広場から建物正面をみると一見2階建てのようにも見えますが、実は3階建て。元々この場所は江戸時代のはじめまで馬見ヶ崎川の旧河道があり、流路が北方へ移されてからも明治のはじめまで万日河原という荒れ地となっていたところです。そのため敷地が北側・西側に向かって下がっていて、段差解消の結果正面から見ると1階が半地下のようになっています。正面玄関から屋内に入るときに何段か階段を上がるかと思いますが、入ったフロアがすでに2階となります。

(つづく)