軽部草履

/ 更新日 / 2023.11.10

日本の伝統文化を足元から支える

現在、手編み草履のモノづくりをしている企業は、国内にただひとつしかない。そんな企業が寒河江市にあることをご存知だろうか? 創業100年を誇る「軽部草履株式会社」だ。山形県に伝わる草履文化の匠の技を要に、国内の手編み草履の95%以上のシェアを占める。

売上の7〜8割は「青森ねぶた祭」「岸和田だんじり祭」など、日本各地の祭りで使う草履で、それだけでも年間で数万足を生産する。そのほか、時代劇や映画、テレビCMなどで使われる草履、人形浄瑠璃・文楽で人形が履くわらじ、大相撲の行司の草履など、日本の伝統芸能や文化で使われる履物の多くを引き受けているのが軽部草履だ。

全国で伝統の祭りがのきなみ中止となったコロナ禍以降は、売上が激減。今年からやっと春・夏祭りが復活の兆しをみせ、工房内も少しずつではあるがコロナ禍前の活気を取り戻しつつある。そんな現状を、専務の軽部聡さんはこう語る。

「まだ終わったとはとても言えない状況ですが、本当にこの3年間よく残ったなと正直に思います。なんとか持ちこたえられたのは、社員が一丸となって協力できたからでしょう。」