特集:地域をひらこう!/菊地 航平さん

/ 更新日 / 2024.03.19

河北町
株式会社かほくらし社

山形市と近隣の寒河江市、上山市、村山市、天童市、東根市、尾花沢市、山辺町、中山町、河北町、西川町、朝日町、大江町、大石田町を合わせた7市7町はひとつの大きなエリア「山形連携中枢都市圏」として互いに協調しながら、よりよい地域づくりを進めています。このシリーズでは、その山形連携中枢都市圏を形成するエリアで地域をおこす活動をされている方たちにフォーカスし、そこでどんな活動をされているのか、そこにはどんな魅力があるのか、お話を伺います。

今回ご紹介するのは、河北町の菊地航平さん。地域おこし協力隊であり、そしてまた、地域商社「かほくらし社」の社員でもあるという菊地さんは、一体どんな活動をされているのか。そして河北町にどんな面白さを見出しているのか、お聞きしました。

=====

菊地さん: わたしは一般的な地域おこし協力隊とはちょっと違っていて、企業派遣型地域おこし協力隊、というかたちになっておりまして、「株式会社かほくらし社」という地域商社で働いています。この会社はまだ若く、2021年4月に立ち上がったばかり。わたしはその立ち上げのタイミングで入社しました。「かほく」と「くらし」を繋げた名前のこの会社は、簡単に言ってしまうと、河北町の暮らしと産業を支える会社、ということになるでしょうか。

会社の事業としては大きく3つの方向性があり、ひとつめは東京・三軒茶屋にある河北町アンテナショップの運営。ふたつめは、かほくイタリア野菜を中心とした河北町の産物を販売するという外販事業。みっつめは、河北町に新しい産業を生み出していくことを目指したラボ事業です。わたしが所属するのは、そのラボ事業部です。

そこでのわたしの仕事というのは、例えば、高付加価値農業の推進を目的に、河北町で収穫されたブドウを原料としてワインを醸造するプロジェクト、かほくイタリア野菜に続く新しい農業の目玉としてヘーゼルナッツを栽培するプロジェクトを進めています。また、町を担う人財の育成と若い視点での地域の新たな魅力創出を目指して、河北の高校生たちと一緒に日本酒のプロデュース、地元の食堂とコラボして地域食材をふんだんに使ったランチプレート考案など、高校生と地域との共創で地域産業を盛り上げるプロジェクトをコーディネートしています。そうしたさまざまな新規プロジェクトを立ち上げて推進しながら、そこに付随するSNS等の広報等も担当し、さらにはツアー企画で外から人を呼び込みながら、町の魅力を広く発信しています。

食いしん坊のわたしにとって、この河北というまちは食と農のポテンシャルにあふれた魅力的なまちです。有名なレストランのシェフたちが河北の野菜を見ようと全国からやってきますし、一流の人たちから認められているそういう素晴らしい食材を何気ない日常のなかでわたしたちは当たり前のようにいただくことができる、というのは本当にすごいことだな、と思います。それに、この小さい地域の中で、事業者の皆さんが互いに助け合ったりする場面が多いのも、このまちのいいところだと思います。米農家さんのモミガラと畜産農家さんの牛糞で発酵堆肥をつくって、その堆肥で地域の土壌をもっと良くしていこうというなんていう動きがあったり…。互いに助け合い、面白い組み合わせを提案しあって、みんなでまちを盛り上げようという気概があるんですね。ぜひ、そういうこのまちの皆さんと一緒に協力して、これからいい事業を育てあげていきたいですね。

かほくらし社
https://kahokurashi.com/ 

(写真)菊地航平さん。雪がちらつく初冬の、河北町のヘーゼルナッツ畑にて。